スー族(ラコタ族)は、アメリカ合衆国サウスダコタ州、ノースダコタ州とその近隣の州に居留地をもつ、平原狩猟民族です。

スー族は、ラコタ(テトン)族、ナコタ族、ダコタ族の3つの部族から成り立ちます。
ラコタ(テトン)族は、ミズーリ川西端に位置する7つの氏族から成り立っています。


「インディアン」とは、北アメリカ大陸に住む先住民族の総称です。
北アメリカ大陸には、実に500以上にものぼるインディアンの部族があり、それぞれに異なった生活、歴史、文化を持っています。

ラコタ族も、そのなかのひとつの部族にすぎないのですが、その歴史はあらゆる面で「インディアン対白人」の闘争の歴史として北米インディアンの文化を代表するものであり、他部族に対する影響力も大きなものでした。


鷲の羽飾りを頭につけて馬に乗ってバッファローを狩るという私たちの描くインディアンのイメージは、大平原に住むラコタ族を代表とする平原狩猟民族そのものです。


19世紀、ラコタ族の「インディアン対白人」の戦闘は熾烈をきわめました。

ラコタ族の、最後まで侵略に屈しなかった姿勢には多くの人々が畏敬の念をいだきました。

ローズバッドでクルック将軍を撃退し、リトルビックホーンではカスターの部隊を全滅に追い込みました。

1890年、ウーンデッドニーで機関砲を手にする圧倒的な力をもつアメリカ軍を相手に戦いましたが、この戦いにやぶれ、居留地へと追いやられていく悲劇の歴史を多くの人々が見守りました。

昔ながらの土地を守ろうと必死に戦ってきた戦士たちの子孫の多くが、今も居留地で暮らしているのです。


 ラコタ族は、後世に名を残す偉大な戦士やメディスンマンも多く輩出しました。

リトルビックホーンの戦いにおいて、スー、アラパホ、シャイアン族を纏め上げ、カスター将軍の第7騎兵隊を全滅に追い込んだシッティングブルは指導者であると同時に偉大な預言者でもありました。

白人に対して最後まで戦いを挑み、多くの伝説を生んだ孤高の戦士、クレージーホースもラコタ族です。

また、オグララ・スー族でリーダーシップをとり、クロー、ポーニー、ユート族を制圧した19世紀スー族の最も偉大な指導者の一人、レッドクラウドも歴史を飾るひとりです。
 まだまだ他にも、たくさんのラコタ族の英雄たちがいます。
 

居留地での不自由な暮らしのなかでも、現在のラコタ族を支え励ましているのは、この勇敢な英雄たちの姿です。
この英雄たちが、現在のラコタ達の背を押しこの道を前に進めとささやきかけていると思えてなりません。